Modern Therapy 妊娠中毒症--EPH gestosis
妊娠中毒症(EPH-gestosis)に対するDiet療法の選択
古谷 博
1
Hiroshi Furuya
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.763-768
発行日 1980年10月10日
Published Date 1980/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206327
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昭和53年と10年以前の昭和43年とについて周産期に関する統計からみた変化は表1のようである。すなわち,この間に出生が約10%減少し,周産期死亡率,乳児死亡率はほぼ世界で最も低率な国となったが,妊産婦死亡率は着々と減少しながらもまだ欧米諸国より高く,しかもその60%ほどは妊娠中毒症と産科出血が原因している。そのため産科救急施設および妊産婦の健診,保健指導の充実がさらに必要であることはいうまでもない。
一方,妊娠中毒症に関しては,死亡は減少しつつあるが,その病態の概念について非常な混乱があり,それがとかくこの疾患に対する医療,予防の具体的方策を困難にさせている。その中でもDiet療法は,国民全体としての経済生活の向上,医療費の著しい増額(表2)がある中で,一般の食生活における嗜好の変化(表3),栄養摂取量の変化(表4)があり,さらにこれとマッチして本症の病態の認識のあまさとがからみあって,具体的な療法としての基本的な考え方がゆらいでいる。
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