Japanese
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特集 消化管手術と器械吻合
歴史と最近の動向
History, recent trend & problems in anastomat anastomosis in surgery for alimentary tract
中山 隆市
1
Ryuichi NAKAYAMA
1
1平塚市民病院外科
pp.1225-1237
発行日 1980年9月20日
Published Date 1980/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207503
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はじめに
外科医を技術者に喩えるならば,その評価はまず第1に手術の安全・確実性,②手術の遅速,③術後合併症の有無,④術後病態と予後の良悪等の総合判定により行なわれるであろう.しかしその評価の根底には確実な手術手技による縫合不全,手術死亡の防止,手術時間短縮による出血量減少と手術侵襲軽減,手術適応の拡大と手術成績向上等への期待が当然含まれるものと思う.
最近,本邦にても食道癌,食道静脈瘤,胃癌,直腸癌等の過大侵襲下消化器手術における器械吻合の有用性が漸く認識されてきたが,本文では器械吻合の問題点をその歴史的背景より分析し,またこの分野における最近の動向につきのべ参考に供したい.便宜上,以下文中では縫合器とは消化管の断端閉鎖等の縫合に,吻合器とは消化管内腔の連続性確保を目的とする器械と仮りに定義し用いることにする.
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