Japanese
English
臨床報告
多発骨折後脂肪塞栓症候群の1剖検例
A case of fat embolism syndrome
林 純一
1
,
松沢 秀郎
1
,
江口 昭治
1
,
石原 法子
2
Junichi HAYASHI
1
1新潟大学医学部第2外科
2新潟大学医学部第1病理
pp.927-930
発行日 1980年6月20日
Published Date 1980/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207463
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はじめに
脂肪塞栓症候群については,未だその病因,治療等について未解決の問題が多く残されているが,病態像の解明にしたがい,acute respiratory distress syndrome(以下ARDSと略す)との関連で興味ある問題が提起されている.本邦では欧米に比し脂肪塞栓症候群の臨床報告例,動物実験報告が少なく,この疾患の病態,治療等を評価する基準は確立されていない.更に近年の強力な呼吸管理法の進歩に伴い,他の急性呼吸障害を呈する疾患と病態の類似性が指摘され,この疾患の独立性についても疑いをもつ向きも出てきている.今回,筆者らは比較的急速に進行した多発骨折後脂肪塞栓症候群の1例を経験したので,特にその肺における病態に考察を加えて報告する.
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