論述
骨折後の脂肪塞栓症候群
鶴田 登代志
1
,
藤沢 幸三
1
,
塩川 靖夫
2
,
駒田 信也
3
,
吉川 和也
3
Toyoshi TSURUTA
1
1三重大学医学部整形外科学教室
2県立草の実学園
3市立尾鷲病院
pp.478-484
発行日 1976年6月25日
Published Date 1976/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905354
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以上の臨床像を要約してみると,脂肪塞栓症候群には多くの症状,所見が存しているけれども,そのいずれもが特有症徴的ではない.従つて本症候群の臨床診断は非常に困難であり,わずかずつしか現われていない症状,所見をていねいに探し集めて綜合判断しなければならない.本症候群が欧米諸国に比して本邦には少ないといわれている一つの理由は,この臨床診断の下し方の差と剖検例における脂肪塞栓検索の差にあるのではないかとも考えられる.
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