特集 癌のリンパ節郭清をどうするか
食道
基調論文—食道
鍋谷 欣市
1
1杏林大学医学部第2外科
pp.609-616
発行日 1980年5月20日
Published Date 1980/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207430
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はじめに
食道癌のリンパ節郭清をどうするかについては,食道癌取扱い規約1)に定められた郭清用リンパ節名とリンパ節群の分類がある(表1,2).この規約が作成されたのは,今から10年前であつて,食道を中心としてリンパ節を命名したものである.しかし,食道のリンパ流2)は気道・肺との関係も深く,今後さらに合理的な分類が望まれる.
一方,食道癌のリンパ節転移状況,および,その対策3-6)については,すでに多くの報告もあるが,実地臨床面において,いかなる症例にどこまでリンパ節郭清を行なうかについては,なお多くの問題が残されている.とくに食道癌では,理論的概念の通りに実行できない場合があり,郭清による効果の判定は決して単純に評価できない面もある.今回は,主として教室の切除例について,リンパ節転移の状況を分析し検討を加える.
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