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特集 膵癌と膵頭十二指腸切除術
膵癌に対する手術術式の選択
膵頭十二指腸切除術か姑息的手術か
Surgical procedure for carcinoma of the pancreas:pancreaticoduodenectomy or palliative operation?
佐藤 寿雄
1
,
松野 正紀
1
Toshio SATO
1
,
Seiki MATSUNO
1
1東北大学医学部第1外科
pp.493-498
発行日 1980年4月20日
Published Date 1980/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207414
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はじめに
膵頭部癌の切除率は低く,8.1%〜21.4%とされ1-5),その予後も極めて悪い.膵頭切除術と胆道バイパス手術の間で予後に差が認められないことから,膵癌に対する切除術の意義に疑問を投げかける報告もあるが6,7),最近では膵頭切除術の直接成績の向上とともに,切除後の長期生存例も得られるようになり,切除術の予後が姑息手術を上回るのは明らかな事実である8,9).膵頭部癌に対して,膵頭切除術が基本術式となつているが,膵頭切除術を行なうか,姑息手術にとどめるかの判断は,換言すれば,膵頭部癌の切除術適応判定ということになろう.本稿では,自験例について膵癌の予後を左右する重要な因子である膵被膜浸潤(S因子),リンパ節転移(N因子)との関係を中心に,膵癌の切除術の意義を論じるとともに,膵頭切除術の適応条件についても言及する.
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