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特集 膵癌と膵頭十二指腸切除術
膵癌に対する手術術式の選択
膵頭十二指腸切除術か姑息的手術か
Surgical procedure for carcinoma of the pancreas:pancreaticoduodenectomy or palliative operation?
中山 和道
1
,
吉田 晃治
1
Toshimich NAKAYAMA
1
,
Kouji YOSHIDA
1
1久留米大学医学部第2外科
pp.499-505
発行日 1980年4月20日
Published Date 1980/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207415
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はじめに
諸形態的検査の進歩にもかかわらず治癒切除可能な膵癌の診断は依然として容易ではなく,膵頭部癌においてもstageの早い症例の発見はまれである.したがつて膵頭部領域癌の中でも膵頭部癌は乳頭部癌,膵内胆管癌にくらべて切除率も著しく低率であり,また膵頭十二指腸切除術を行なつた症例の遠隔成績もきわめて不良である.このように膵頭部に対する従来通りの標準的な膵頭十二指腸切除術では不十分であるといわざるをえない.
このようなことにより膵頭部癌には膵頭十二指腸切除術よりむしろ内胆汁瘻造設術のby-pass手術を行なつた方が良いという報告もみられ,膵頭部癌の術式選択として"膵頭十二指腸切除術か,姑息的手術か"というような題目ができたものであろう.今回はこの点について自験例を中心に著者らの意見をのべてみたい.
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