Japanese
English
特集 血管カテーテルの治療への応用
薬剤の注入
消化管出血に対して
Therapeutic angiography using vasoconstrictors
石川 徹
1
,
佐藤 豊
1
,
大迫 章生
1
,
石田 有世
1
,
川端 正義
1
,
白神 圭由
1
,
今西 好正
1
Tohru ISHIKAWA
1
1聖マリアンナ医科大学放射線科
pp.325-333
発行日 1980年3月20日
Published Date 1980/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207393
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はじめに
1963年,NusbaumおよびBaumが毎分0.5ml以上の消化管出血があれば,それを選択的血管撮影で描出することができることを証明して以来,血管撮影は不可欠の検査となつて来ている1),一方,出血部位の診断と同時に,そのカテーテルを利用して薬物注入あるいはembolizationを行なうことにより出血をコントロールしようとする試みは米国において極めて盛んになり2,3),その臨床的効果については高く評価されて来ている.わが国においては,とくに,embolizationによる治療の発展は特にめざましいものがある.しかし,歴史的にもバゾプレッシンなどの薬物を注入することで始つたこの治療法が全く発展せず,一足飛びにembolizationのみ盛んになつてしまつたわが国の現状は理解に苦しむことである.今回は薬物,とくにバゾプレッシンの持続注入による止血法を詳細に述べ,その有用性を強調したいと思う.
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