今日の問題
「エホバの証人」信者の麻酔とその対策
花岡 一雄
1
,
諏訪 邦夫
1
,
山村 秀夫
1
1東京大学医学部麻酔学教室
pp.215-217
発行日 1980年2月20日
Published Date 1980/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207378
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
「エホバの証人」信者は,約30か国にわたり,200万以上が存在し,現在わが国でも数万人の信者がいると言われている.血を含んだ肉などを食することを認めていないこの宗教は,医学上でもその適応にかかわらず,血液やアルブミンどの血液製剤を一切拒否している.しかし,生理食塩水,代用血漿剤,ハルトマン液,ブドウ糖液,デキストラン液などの輸液剤の使用は認められている.
「エホバの証人」信者にとつては,生命は一時の流れであり,神の教えを守り抜くことが天国での生活を楽しめるという考えから輸血を受けることは,まさに重大な危機であるといえる1).
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.