Japanese
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特集 噴門部癌の特性と外科治療
術後成績の検討
Study on postoperative evaluation of cardiac cancer
佐藤 博
1
Hiroshi SATOH
1
1千葉大学医学部第2外科
pp.1845-1850
発行日 1979年12月20日
Published Date 1979/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207336
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はじめに
現在,噴門部癌の定義に関しては確立したものはない.胃癌取扱い規約によれば「食道噴門接際部から約20mm範囲の胃の部分を噴門部と称する事に規定する」と記載されている.
しからば噴門部癌は此の部にその発生母地があると考えられるものを称するのか,あるいは此の部に癌が占有されているものを称するのかあまりはつきりしていない.一方食道癌取扱い規約によれば食道胃接合部癌として食道胃接合部に跨がる癌腫のうち「口側はEの範囲に,肛門側はCの範囲以内にとどまるもの」とし,これをEC,E=C,CEに区分している.従つて噴門部癌と称するものの中にはいろいろの解釈がありいろいろの病型があると思う.すなわち此の部では主として癌腫の組織型は腺癌が多くなるが稀には扁平上皮癌も入つて来る.でこれに対する根治手術も多岐にわたる訳であるが,今回は胃癌を中心として癌腫がC領域を占めるものの手術成績とその遠隔成績について述べ,さらに食道胃接合部癌における扁平上皮癌と腺癌の遠隔成績の差を論じてみたい.
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