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特集 外傷救急診療におけるDo's & Don'ts
腹部外傷—救急処置室におけるDo's & Don'ts
Abdominal trauma: Do's & Don'ts in the emergency room
山本 修三
1,2
,
須藤 政彦
1,2
Shuzo YAMAMOTO
1,2
,
Masahiko SUDO
1,2
1済生会神奈川県病院
2神奈川県交通救急センター外科
pp.995-997
発行日 1974年8月20日
Published Date 1974/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206094
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はじめに
受傷原因別にみて,現在わが国でみられる腹部外傷の過半数は交通災害によるものであり,われわれが最近8年間に取扱つた入院を要した腹部外傷521例中,交通災害例は345例66.2%の多きにのぼる.交通災害腹部外傷の特徴は,外力が大きいため,腹腔内多数臓器の損傷や,腹部以外に重複損傷を有するものが多いことであり,このことは診断治療上重要であり十分銘記しておく必要がある.
腹部外傷の病態は,腹腔内または後腹膜の実質性臓器や血管の損傷による出血と,管腔臓器損傷による腹膜炎が主体となるが,とくに出血の場合は,その症状所見が腹部以外の損傷のそれに比し非顕性であるため,あらゆる外傷患者について,診断上の最大の注意は腹部に対して払われるべきであるといつても過言ではない.
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