Japanese
English
特集 外科とエコー
乳腺疾患
Ultrasonic diagnosis of breast disease
小川 博康
1
,
河村 哲雄
1
,
竹原 靖明
2
Hiroyasu OGAWA
1
1住友病院外科
2関東中央病院外科
pp.175-181
発行日 1979年2月20日
Published Date 1979/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207103
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はじめに
超音波という一種の音波を利用した超音波診断法は,超音波が生体の軟部組織の分解能力に優れ被検者に何ら苦痛や障害を与えない文字通りの非侵襲的検査法であり,特に乳腺は皮膚表面に近い部分に存在し,形態が単純であるため,分解能の向上に有利な高い周波数(現用5MHz)を用いることができる点,最近この領域の診断にも広く普及しつつある.
乳腺領域に於ける超音波診断の試みは,Wild1)らに始まり,本邦に於ては,林,和賀井2)らによつて初めて報告された.その後,装置の精度向上及び感度断層法によるエコーパターンの定量的解析法3)の導入,カラー表示法等画像処理面の検討4),コンピューターの導入等により,数多くの研究者により優れた業績が報告され,その臨床的評価が漸次確立しつつある.今回われわれは,乳腺疾患の超音波診断に関し,文献的考察をも含めて,最近の本診断法の現況を紹介する.
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