実地臨床手技のエッセンス Office Gynecology
乳腺疾患
高橋 勇
1
Isamu Takahashi
1
1東京都立駒込病院外科
pp.683-686
発行日 1979年9月10日
Published Date 1979/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206100
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乳腺に何らかの病変があれば,女性特有の疾患であるとの考えから,患者は婦人科医を訪れることが多く,まして妊娠期や出産後間もない授乳期には,かかりつけの産婦人科の医師に相談をするのは至極当然のことである。現在,わが国では,乳癌を主とした乳腺疾患の大部分は外科医が取り扱う慣習があるが,将来は,ある国のように乳腺などを婦人科医が治療するようになるかも知れない。診断から治療までを,婦人科医の手で行なわれるようになるか否かは別として,少なくとも患者側の自由意志で医師を選んで訪れる現在のシステムであれば,第一線の臨床家としては,初診医として適切な診断を下す必要がある。実際問題として,急性乳腺炎などは,お産をしたばかりの若い母親に多い関係から,ほとんどは,つい最近お世話になった産婦人科医の治療を受ける機会が多いと思われる。
何の疾患でも同じであるが,最初に診断を下す立場は極めて重要であると同時に困難を覚えることが多いものである。
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