Japanese
English
臨床研究
Levamisoleによる癌免疫療法
Cancer immunotherapy by Levamisole
三輪 恕昭
1
,
折田 薫三
1
Hiroaki MIWA
1
,
Kunzo ORITA
1
1岡山大学医学部第1外科
pp.1325-1331
発行日 1978年9月20日
Published Date 1978/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207027
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はじめに
Mathéら1)の白血病に対するbacille Calmette-Gu—érin (BCG)の活用に初まり,各種の免疫刺激剤を用いる癌の免疫療法が広汎に行なわれ,かなりの臨床効果が報告されている2).われわれは従来の免疫刺激剤と趣きを異にし,細胞性免疫能の低下した例にのみ作用し,それを賦活,正常化する作用を有するとされる3)Leva—misoleを消化器癌患者に投与してその細胞性免疫能の変化をみ,Levamisoleが低下した細胞性免疫能を賦活,正常化する作用を有することを報告してきた4,7).
今回は,Levamisoleの抗腫瘍効果をみることを目的とし,表1のようなscheduleで主として消化器癌患者に手術前よりLevamisole投与を開始し,最長1年6ヵ月にわたつてその臨床効果を検索し,Levamisoleが消化器癌患者の6ヵ月,1年生存率で,進行した例にほど高い生存率の上昇効果をもたらすという興味ある結果を得た.この成績は動物実験での既報の成績8)と奇しくも一致した.
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