Japanese
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特集 食道癌手術の近況
食道癌に対する術前合併療法
Preoperative combined treatment for esophageal cancer surgery
藤巻 雅夫
1
,
伊藤 博
1
,
田沢 賢次
1
,
斉藤 寿一
1
,
眞保 俊
1
,
川口 正樹
2
,
佐々木 公一
2
,
田中 乙雄
2
,
曽我 淳
2
Masao FUJIMAKI
1
1富山医科薬科大学外科
2新潟大学医学部第1外科
pp.1271-1278
発行日 1978年9月20日
Published Date 1978/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207022
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はじめに
食道癌に対する手術成績の向上は,特に麻酔法の発達,術前,術後の管理技術の進歩などにより刮目すべきものがあるが,その遠隔成績は他臓器の癌腫のそれに比較するとまだまだ不良で,その向上のためにたゆまぬ努力がはらわれている.遠隔成績が不良である原因としては,患者が高齢者で,しかも進行癌が多いことや,癌腫切除に際しての解剖学的特殊性などがあげられるが,最近では,食道癌そのものの"悪性度"(1つの例をあげれば,食道癌のskip lesionなど)が,種々の治療手段に抵抗する大きな因子として注目されるようになつてきている.
われわれも,食道癌患者に対する治療成績を少しでも向上させるために,1968年(昭和43年)11月以降,食道癌患者にブレオマイシン(BLM)を積極的に切除を前提とした術前投与を目標として投与してきた1-5).ここでは,新潟大学医学部外科学第1講座において切除された89例のBLMと照射の術前併用症例に対する成績を中心に述べてみたい.
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