Japanese
English
臨床研究
食道癌の発育形式についての検討
Studies on the growth pattern of the esopha-geal cancer
塩崎 均
1
,
寺島 毅
1
,
水谷 澄夫
1
,
岡川 和弘
1
,
神前 五郎
1
Hitoshi SHIOZAKI
1
1大阪大学医学部第2外科
pp.269-275
発行日 1978年2月20日
Published Date 1978/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206903
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
ヒトの食道癌は,X線透視・内視鏡検査等の診断技術の向上した今日においても,早期発見されることが少なく,その初期像は明らかにされていなかつた.ちなみに1975年に食道疾患研究会において,鍋谷の集計した本邦の早期食道癌は58例にすぎなかつた.今回,これらの58例に,その後に集計した得た15例を加えた73例について,組織学的に検索し,その発育形式を検討した.さらに,これら73例の早期癌と,癌浸潤は粘膜下層までにとどまるが,リンパ節転移のみられた表在癌15例を比較検討し,リンパ節転移を起こす要因についても考察を行なつた.
一方,われわれは,N-MethylbenzlamineとNaNO2を使用し,ラットに実験的に食道癌を作成し,その発癌過程について報告してきたが,これらラットの実験的食道癌にみられた発育形式と,ヒト食道癌の発育形式について検討を行なつた結果を報告する.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.