講座 皮膚縫合の基本・2
切開線の選び方
大塚 寿
1
1北里大学医学部形成外科
pp.254-259
発行日 1978年2月20日
Published Date 1978/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206901
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切開線・到達法の指標
今回は切開線の選び方について述べる.
図1はよくみられる気管切開後の瘢痕である.大抵こういう場合strap musclesは側方に移動し表面の皮膚が瘢痕組織を介して直接気管に癒着し,嚥下や深呼吸時の運動制限を認める.図2は我々が口腔内血管腫手術に先立ち横切開による気管切開術を行なつた例である.初めに横切開で入ろうが縦切開で入ろうが,手術時間,手術の難易度に甲乙はつけがたいのを著者は経験している.挿管による気道確保が普及している今日,一刻を争う気管切開術が要求される場合は少なく,従って縦切開で気管切開術を行なう理由は少ないといえる.
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