Japanese
English
臨床研究
外科手術にともなう血液凝固線溶系変化—とくにFDPの変動を中心として
Changes in blood coagulation and fibrinolysis systems following surgical operation
石丸 新
1
,
山田 充
1
,
劉 崇信
1
,
古川 欽一
1
,
高橋 雅俊
1
,
金子 文子
2
,
馬場 百合子
2
Shin ISHIMARU
1
1東京医科大学外科
2東京医科大学臨床病理
pp.497-502
発行日 1977年4月20日
Published Date 1977/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206722
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はじめに
外科手術に際して突然止血困難なoozingに遭遇することは臨床医の誰もに経験されることであり,これが時として致命的な結果に結びつく場合もある.また術後における血栓症の発生は本邦においてはまだ少ないとはいえ重要な合併症のひとつとして注意が払われている.これら出血と血栓という一見相反する現象が外科的侵襲を契機として発生するということは興味のあることであり,その原因については主に血液凝固学的な立場からの検討が成されてきた.
一方,1937年Mac Farlane9)は外科手術によつて線溶現象が引き起こされることを指摘し,以来外科手術にともなう線溶系の異常についてはその測定法の進歩とともに各方面から追究されるようになり,これが術後凝固異常の一因として重要視される傾向となつている.しかし,現在広く行なわれている線溶系検査法は測定方法が繁雑で,結果の判定までに時間のかかることから一般検査としては難点がある.したがつて実際の臨床においては迅速な情報を得ることが困難な場合も少なくない.
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