Japanese
English
特集 ヘルニア再検討
成人鼠径ヘルニアに対する術式とその選択
Inguinal hernia in adults; rationale and selection of operative procedure
牧野 永城
1
,
佐藤 光史
1
,
木村 光博
1
,
伊藤 正幸
1
Eiki MAKINO
1
1聖路加国際病院外科
pp.441-448
発行日 1977年4月20日
Published Date 1977/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206716
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
従来鼠径ヘルニアの術式として挙げられてきたものは実に数多い.鼠径ヘルニア手術に近代化の扉を開いたBassini(1890)以降だけでも新しい術式として発表されたものは枚挙にいとまがない.しかしそのうちには1つの術式に多少の修飾を加えたものにすぎぬものも多く,そしてそれぞれの術式に発表者の名をつけて,Marcy,Michel-Bankes,Czerny,Lucas-Championiére,Ferguson,Halsted,Kocher,LaRoque,Stetten,Andrews,Gallié,Hackenbruch,Potts,Zimmerman,McVay,波多腰,木本法などと呼ばれてきた.外科医にとつてはその1つ1つを憶えるのも大変であるし,その各種術式のどれを選択してよいのかもわからず,とかく混乱の原因となつてきたといつてよいだろう.
実際,外科医がこれら術式のすべてを記憶したり,その手技を会得する必要は毛頭ない.われわれの所では,外科レジデントの卒後研修として,もつぱら手術治療の原理の理解を基本にして,各症例についてその原理に応じた手術法の選択を行なわせ,そのために代表的な術式をせいぜい数種習得させることにしている.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.