Japanese
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特集 外科と薬剤
強心剤と利尿剤—腹部外科と関連させて
Cardiotonics and diuretics with reference to abdominal surgery
林 四郎
1
,
小山 省三
1
Shiro HAYASHI
1
,
Shozo KOYAMA
1
1信州大学医学部第1外科
pp.331-335
発行日 1977年3月20日
Published Date 1977/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206699
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はじめに
手術の安全性を高めるためには正しい手術の適応,適確な手術手技,麻酔の実施とともに,術前から術中,術後にかけてのきめ細かい管理技術の修得が何よりも必要であり,しかも今日のように以前には手術の実施が躊躇されていた老人にも,必要な手術が積極的に行なわれている現状をながめると,poor risk患者に対する術前,術後の管理にも外科医として最大の努力を払わなければならないことはあえて多言を要しないであろう.もちろん手術の実施にあたつて,手術の対象となる臓器病変を除いて,患者の状態が良好であるのにこしたことはないが,緊急手術の場合には図1のような心拡張と鬱血性心不全状態の下でも手術を実施しなければならないし,また待期的手術の場合でもできるだけ早い時期に心・腎不全状態から脱却させるような工夫と努力を外科医にも求められる.もちろんこのような患者の治療には内科医の協力,助言も必要であるが,24時間を通して,ベッドサイドで過ごす外科医も強心剤や利尿剤の進歩,特徴,その使用法に通じていることも大切である.本誌31巻11号に術後の急性機能不全に関する特集がのせられているが,この特集のなかの心不全1)や腎不全2)などの治療にも直接関係深い強心剤と利尿剤について現状を概説したい.
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