臨床家の薬理学・5
Ⅴ.強心剤
今井 昭一
1
1新大・薬理学
pp.630-631
発行日 1972年5月10日
Published Date 1972/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204085
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本稿では,強心薬という言葉を,心臓に直接作用してその収縮力を強める薬の意味に限定して使用する事にする.この意味の強心薬として,臨床的に使用されているのは,強心配糖体とキサンチン類とである.交感神経アミンも,急性の心拍停止や,末梢血管の緊張低下に基づく血圧下降の際に使用されるが,前者は交感神経アミンの心筋自動興奮性亢進作用を利用するものであり,後者も主として末梢血管収縮作用を利用せんとするものであって,何れの場合にも強心作用を主目的とするものではない.そこで以下の叙述はキサンチン類と強心配糖体とくに後者を中心に進めることにする.
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