Japanese
English
臨床報告
胆道疾患を伴った内臓逆位症の2例
Two cases of situs inversus with disease of the biliary tract
重松 宏
1
,
是久 博見
1
,
重松 貞彦
1
,
原 啓一
1
,
岩谷 真宏
1
,
盛岡 康晃
1
Hiroshi SHIGEMATSU
1
1茅ヶ崎市立病院外科
pp.953-959
発行日 1976年7月20日
Published Date 1976/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206555
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はじめに
内臓逆位症は,既に紀元前Aristotleが動物において認めたといわれ1),16世紀中頃Cornerius Gema2)が,1600年にはFabricius3)が,それぞれ肝脾の逆位例を,また1615年Petrius Servius,1643年Marcelles Le-ciusが,完全内臓逆位症の剖検例を報告した4).フランス女王Marie de Mediciが最初の生きた人間例といわれている5)が,1824年Kuchenmeisterは臨床例6)を報告し,1897年にいたつてVehsemeyer's7)が初めてX線による診断を行ない,爾来数多くの内臓逆位症例が認められる様になつた.本邦においては,1889年(明治22年)笠原8)が最初の臨床診断を,また,1892年(明治25年)熊谷,1894年(明治27年)中西が剖検例を報告し,1904年(明治37年)松田,蒿科が最初のX線診断を行なつて以来9),1,000例を超える報告例がみられる.
内臓逆位症の頻度は,VaranoとMerklin10)が諸家の報告を比較し8,000人に1人が妥当であろうとしている.
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