Japanese
English
特集 手術とHyperalimentation
手術症例よりみた高カロリー輸液の応用—術前低栄養症例に対し
Parenteral nutrition in cases with malnutrition before the operation
平井 慶徳
1
,
長谷川 史郎
1
,
真田 裕
1
Yoshinori HIRAI
1
1順天堂大学医学部小児外科
pp.427-432
発行日 1976年4月20日
Published Date 1976/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206474
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はじめに
高カロリー輸液が外科臨床において果しつつある役割は多大で,その手術適応の拡大,手術成績の向上には刮目すべきものがある.特に,従来手術を行ないえないか,強行しても術後に致命的なトラブルを起こすことが多かつた栄養障害例や,手術は成功したが,術後の長期観察の上からは不成功であつたと言われるような大量腸管切除例などでは,経腸的栄養法ではなす術のなかつた栄養状態の改善乃至維持が,本輸液によつて容易に行なわれ,可及的十分な全身状態下での手術や,経過観察によつて満足すべき成績をあげうるようになつているのは,衆目の認めるところであろう4,5).
私どもが本輸液法を小児外科の実施臨床にとり入れたのは1969年であるが,以来6年間に本輸液の対象としたのは新生児乳児を中心とした約150例の小児外科症例で,表にあげたような適応によつて施行してきた.本稿では,これらの適応の中で第1にあげられている,術前低栄養障害例に対する本輸液法の実例を供覧し,若干の検討を加える.
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