Japanese
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特集 手術と副損傷
結腸手術における副損傷
Incidental injuries during surgery of the colon
安富 正幸
1
,
多田 正安
1
,
原 満
1
Masayuki YASUTOMI
1
1近畿大学医学部第1外科
pp.795-800
発行日 1975年7月20日
Published Date 1975/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206276
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はじめに
盲腸よりS状結腸にいたる結腸は約1.5mの長さを有し,右下腹部より上腹部,さらに左下腹部と腹部全体にまたがつているから,結腸手術の際の副損傷もまた腹腔内および後腹膜にある各種臓器に起こる可能性はある.しかしながら,一般には横行結腸とS状結腸は長い腸間膜をもつているし,また,腸間膜のほとんどない盲腸や上行結腸,下行結腸は右あるいは左の腹腔背面にあるため,隣接臓器とくに後腹膜臓器の副損傷は比較的稀である.しかしpoor riskの患者や緊急手術で,炎症,癒着,癌浸潤などのある場合には予期せぬ術中の合併症に遭遇し,その対策に苦慮することがあるばかりでなく,ひいては患者の生命をもおびやかすことにもなる.このような副損傷を避けるために,日常注意している事項や実際に副損傷が起こつてからどのように対処するかなどについて私どもの経験をもとにしてのべてみたい.
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