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特集 外科と血栓
急性腸骨大腿静脈血栓症
Acute ilio-femoral venous thrombosis
田辺 達三
1
Tatsuzo TANABE
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.1269-1275
発行日 1974年11月20日
Published Date 1974/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206137
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はじめに
近年,わが国においても血栓閉塞性血管疾患の増加が指摘され,一般の関心もしだいに高まつてきている.腸骨大腿静脈血栓症は血栓症の代表的疾患であるが,静脈血栓症に限らず,一般に静脈疾患はこれまで直接生命を脅かすものが少なく,また適確な診断法,治療法を欠くなどの理由から,等閑に付され十分な検索がなされない傾向にあつた.しかし静脈血栓症は世界的に急激な増加をみており,重篤な合併症や,難治の後遺症の問題が明らかにされ,この十年間に成因,頻度,診断,治療などについて改めて詳細な検討が加えられてきている.
ここでは北大第2外科における下肢の血栓閉塞性静脈疾患症例108例について分析し,内外の文献と対比しつつ,とくに急性腸骨大腿静脈血栓症のもつ諸問題点を明らかにするとともに,本症の早期診断,早期治療の重要性を強調したい.
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