Japanese
English
臨床研究
小児リンパ節腫脹の臨床病理
Clinical pathology of lymphadenopathy in infancy and childhood
武藤 良弘
1
,
脇 慎治
1
,
鮫島 恭彦
1
,
内村 正幸
1
,
石垣 実弘
1
,
室久 敏三郎
1
,
土山 秀夫
2
Yoshihiro MUTO
1
1浜松医療センター外科
2長崎大学医学部病理学教室
pp.665-671
発行日 1974年5月20日
Published Date 1974/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206040
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はじめに
人のリンパ系は,リンパ管系と補助器官のリンパ装置とに分類される.リンパ管系は,リンパ本幹(lmyphatic trunks),リンパ管(lymphatic vessels),毛細リンパ管(lymph capillaries),リンパ洞(lymph sinus)に区別ができ,リンパ装置(リンパ組織系)は形態的に,リンパ節(lymph node),リンパ小節(lymph nodule)およびリンパ浸潤(lymph infiltration)とに分類される16).
発生学的に,リンパ節原基は胎生2カ月後期より出現し,胎生4カ月後期にすべて出揃うとされ,これら胎生期リンパ節がリンパ節としてほぼ完成したものになる時期は胎生8カ月より10カ月とされている.リンパ節は末梢より中心方向に向つて走行分布するリンパ道の経過中に一定の揚所に現われ,この部位はリンパ中枢(H. Baum,1926)と呼ばれている.これら中枢は一般解剖学書に記載されているものでも約50カ所あるとされている.このリンパ中枢とは一般に知られたリンパ節(cervical lymph nodes,axillary lymph nodes,in-guinal lymph nodes等)を指し,この中枢に現われるリンパ節の数もほぼ一定している.人体のリンパ節総数は500〜1,000個といわれ,小児,成人を問わずリンパ節数は同じといわれる6).
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