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特集 老人外科—老年者胆道系疾患の外科
老年者における胆道癌の臨床
Surgery of the biliary tract carcinoma in the aged
小坂 進
1
,
中川 正
1
Susumu KOZAKA
1
,
Tadashi NAKAGAWA
1
1金沢大学医学部第2外科
pp.607-613
発行日 1974年5月20日
Published Date 1974/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206032
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はじめに
近年,外科的療法ならびに患者管理技術の進歩によつて,老年者に対してもかなりの手術が青・壮年者層とさほど変わることなく,順調に実施されているが,胆道系の悪性腫瘍については,早期診断が困難で,その多くが閉塞性黄疸を伴つているため,術前の全身状態がわるく,老若を問わず,手術成績が他の疾患に比べて不良である.
このように,若・壮年層においても,容易ではない手術療法を,老年者を対象に如何にして成功させてゆくかということは,老人外科における重要な課題であると考えられる.私共は胆道癌の治療方針として,腫瘍による胆管閉塞部の積極的な切除と有効確実な胆道再建の実施に努めているが,その老年症例の手術成績を解析し,肝門部胆管癌の切除など私共の行なつている試みを紹介して諸賢のご参考に供したい.
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