Japanese
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特集 外科と栄養—高カロリー輸液の問題点
高カロリー輸液における脂質代謝
Fat-metabolism at parenteral hyperalimentation
山田 栄一
1
,
佐藤 忠敏
1
,
具 栄作
1
,
飯塚 益生
1
,
村上 一登
1
,
木村 信良
1
,
寺田 健治
2
,
波多野 誠
2
Eiichi YAMADA
1
,
Kenji TERADA
2
1東京医科歯科大学第2外科
2九段坂病院外科
pp.1665-1673
発行日 1973年12月20日
Published Date 1973/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205934
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はじめに
外科領域において経口的にも,経腸的にも栄養摂取の不可能な,あるいは制限をしなければならない症例に遭遇したとき,経静脈的に栄養補給を試みなければならないが,特に長期間静脈栄養のみで患者の栄養状態を維持しようとする場合には,各栄養素のバランスのとれた補給が必要となつてくる.この際十分なカロリーを補給するために今迄多くの人々が種々の方法で努力を重ねている.
安全な脂肪乳剤の出現をみなかつた米国においてはDudrick & Wilmore8)9)54)らが高張糖液(20%Glucose)ならびに5%アミノ酸液を用い高カロリーの中心静脈栄養を試みている.そして体重増加,窒素平衡ならびに水分電解質平衡いずれも陽性に維持し得たこと,また仔犬に行なつた実験での成長状況などから高張糖液・アミノ酸による経中心静脈高カロリー輸液が有用であることを報告している.一方葛西・小野寺24)47),らもDudrickらと同様の方法で経中心静脈高カロリー輸液を長期間行なつた症例に血中脂質濃度の減少を認め,長期間静脈栄養を行なわなければならない場合には必須脂肪酸の補給の必要性を感じている.
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