Japanese
English
特集 急性腹膜炎
汎発性腹膜炎における膿の進転,貯溜およびドレナージの問題
The spread and collection of intraperitoneal effusions and the use of drainage
牧野 永城
1
,
桜井 健司
1
,
松井 昭
1
,
三重野 寛治
1
,
楊 鴻生
1
,
青木 克彦
1
Eiki MAKINO
1
1聖路加国際病院外科
pp.1069-1078
発行日 1973年8月20日
Published Date 1973/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205857
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はじめに
腹腔内の管腔臓器が穿孔して,内容が遊離腹腔内に漏出する場合,液体が腹腔内をどのように移動して,どこにもつとも貯溜しやすいかに関しては,古くから種々の説明や論議がある.それから腹腔内感染に対するドレナージの使用に関しても,局在性膿瘍に対するドレナージの使用に疑念をもつ者はないが,一旦汎発性腹膜炎となると,ドレーンの挿入部位に関しても問題があるばかりでなく,一体ドレーンの使用そのものに意味があるかないかに関してさえ意見が分かれている.実際腹腔のドレナージは,日常臨床医が遭遇している問題なのに,その使用に関してはつきりした指針がないというのが実情である.
以下述べることは,これらの問題についてわれわれが行なつた動物実験および臨床症例から得られた知見で,臨床上の指針の一端となると考えたものである.
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