Japanese
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特集 急性腹膜炎
急性腹膜炎によるショックの治療対策
Treatment of septic shock due to acute peritonitis
玉熊 正悦
1
,
石山 賢
1
,
碓井 昌
1
,
小泉 澄彦
1
Shoetsu TAMAKUMA
1
1東京大学医学部第1外科
pp.1079-1085
発行日 1973年8月20日
Published Date 1973/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205858
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はじめに
戦後20有余年,抗生剤の発達で外科的感染症は大きく変貌したといわれるが,外科領域で日常しばしば遭遇する代表的な重症感染症である急性汎発性腹膜炎は現在でも極めて重篤なものである1)2).原因としてもつとも多い消化管穿孔の場合,穿孔胃腸管の部位,大きさ,来院までの時間,穿孔前の全身状態と原疾患により修飾されている度合,などにもよるが,一旦急性汎発性腹膜炎に進展すると,いわゆる細菌性ショックと呼ばれる循環不全,腎,肺障害などを伴うことが多く,その治療の難しさは実地臨床家のひとしく経験するところである.本年4月京都で開かれた第73回外科学会で石川(浩),田中(早)両教授司会のもとに行なわれたこの問題に関するシンポ4)で筆者はとくに「感染とショック」を担当し急性腹膜炎でショックを誘発する因子とその対策を中心に報告したが,本稿ではその主旨を焦点にとりあげ,本特集企画分担の責を果したいと思う.
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