Japanese
English
特集 出血治療のPitfall
上部消化管出血における救急出血源探索の手順と注意すべきPitfall
Several remarks on the dignosis for Upper G.I.bleeding
川井 啓市
1
,
井田 和徳
1
,
赤坂 裕三
1
,
中島 正継
1
,
多田 正大
1
Keiichi KAWAI
1
1京都府立医科大学第3内科教室
pp.1241-1249
発行日 1972年9月20日
Published Date 1972/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205673
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はじめに
本邦においては,上部消化管出血に対して救急検査の必要が痛感されながらも,これが日常の臨床検査としてとりあげられて来たのは比較的最近のことである.私達が積極的に,内視鏡検査を術前検査としてとりあげたのは仙台における第6回日本内視鏡学会(昭39)で,Symposium「ファイバースコープ」のなかで「出血胃に対する観察」を担当してからである1).最近では第13回日本内視鏡学会(昭46)で「上部消化管出血」が2)シンポジウムとしてとりあげられるとともに同年PrahaでInternational Symposium for Urgent Endoscopy(1971)がもたれる等,現在では全体として次第に出血巣の早期診断に対する関心はまして来た3).
しかしこのurgent endoscopyまたはurgentradiologyに対する理解は欧米ではPalmer(1951)のvigorous diagnostic approachまたはvigorous pandiagnostic management4)5)の考え方のように,比較的早く,幅広い関心でかつ積極的になされており,昨年6ヵ月間滞在した西ドイツのHannover医科大学での内視鏡検査の現況からみても,彼我にかなりの差を痛感させられたのである.
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