Japanese
English
特集 出血治療のPitfall
出血源に対するX線検査のPitfall
Pitfall of X-Ray examination for upper gastro-intestinal bleeding
池内 準次
1
,
鈴木 博昭
1
Junji IKEUCHI
1
1東京慈恵会医科大学第2外科
pp.1219-1225
発行日 1972年9月20日
Published Date 1972/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205670
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はじめに
上部消化管出血の診断方法には,臨床的観察と相俟つて,X線検査と内視鏡検査が車の両輪のような位置にある.これらいろいろの検査を十分に結集して使用すれば,上部消化管出血の出血巣の診断は決して困難なものではない(Palmer E.D.の提唱するVigorous Diagnostic Approach).
さて,X線検査は消化管疾患の診断には不可欠として長い間用いられ,さらに,最近では消化管内粗大病変は勿論のこと,ときには,mm単位の微細病変も推定あるいは確認されるという成績である.さらにまた,X線検査はその検査方法の容易さと,患者に与える苦痛が少ないことからその利用価値は大きい.他方,とくに最近おいては,内視鏡検査の方法が,その器具の改良,操作の熟達などと相俟つて,内視鏡所見の成績が手術所見,あるいは,病理組織などの成績によく近づくようになり,その利用価値は,消化管診断にはまた不可欠の方法となつている.
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