Japanese
English
特集 出血治療のPitfall
出血源の内視鏡検査
The endoscopic examination for the upper gastro-intestinal bleeding
鈴木 博孝
1
,
竹本 忠良
1
,
遠藤 光夫
1
,
丸山 正隆
1
,
川田 彰得
1
Hiroyoshi SUZUKI
1
1東京女子医科大学消化器病センター
pp.1227-1234
発行日 1972年9月20日
Published Date 1972/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205671
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はじめに
上部消化管出血に対する内視鏡検査は,従来,非常に慎重に行なわれていた.ショックがある場合には検査を施行せず,出血が止まつてからゆつくり2〜3日安全を確かめて,まずX線検査を行ない,さらに2〜3日おいて内視鏡検査を行なうといつた具合であつた.内視鏡による緊急検査はすでに胃鏡の時代から,Palmerによつて提唱されていたが1),日本では実行される例が少なく,ファイバースコープの開発によつてようやく内視鏡の本領を発揮しはじめた感がある.最近では,積極的なX線・内視鏡による緊急検査が行なわれるようになり,出血源の診断や治療方針の決定に大きな役割を果たすようになつた.第6回日本内視鏡学会総会—ファイバースコープ,(仙台,1964)第5回日本消化器病学会秋期大会—消化管出血,(鹿児島,1963),第28回日本臨床外科医学会—上部消化管出血,(1967),第13回日本内視鏡学会総会—上部消化管出血と内視鏡,(東京,1971),第2回日本消化器外科学会大会,(大阪1972)など数々の学会シンポジウムのテーマとして取り上げられ,出血に関する検討はいうにおよばず,外科と内科の協力の必要性,内視鏡検査の必要性と安全性などが確認されて来た.
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