Japanese
English
特集 皮膚切開法と到達法・Ⅱ
小児の腹部手術
General remarks on abdominal surgical approach in infancy
井上 迪彦
1
,
田村 重宏
1
,
石田 治雄
1
,
勝俣 慶三
2
Michihiko INOUE
1
1都立清瀬小児病院外科
2慶応義塾大学医学部外科
pp.923-931
発行日 1972年7月20日
Published Date 1972/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205639
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はじめに
病巣へのアプローチの第一歩として皮膚切開は手術操作のうちでも重要な意味をもつている.不適当な皮膚切開は手術に多くの時間を費やすばかりでなく,手術が不成功に終る危険もある.しかし,外科医あるいは病院の能力,教育の方式,伝統,疾患や患者の条件などに差があることから,実際には,一つの手術に対して,ある定められた皮膚切開法だけが有効であると画一的に論ずることはできない.どのような場合にも,手術書に記載されている,いろいろな皮膚切開法のなかから各人の経験によつて自信のある手馴れた方法を選んで行なえばよいわけであるが,小児外科手術では,通常成人の手術にもちいられる皮膚切開が通用しない場合や,新生児,乳児であるために留意しなければならないこともある.ここでは主として新生児,乳児の手術を中心に,われわれの経験をもとにして各疾患の病巣への到達過程とその処理の要点を述べたい.
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