Japanese
English
綜説
腹部内臓皮下損傷に於ける早期補助診断の検討
Device of the eary adjutant diagnosis in the subcutaneous injury of abdominal entrails
飯塚 積
1
,
平沢 進武
1
,
一瀨 永吉
1
,
勝俣 慶三
1
,
川內 拓郞
2
Tsumoru IIZUKA
1
1東京都済生会中央病院外科
2池袋病院
1Department of Surgery, TOKYOTO SAISEIKAI CHUO Hospital
pp.911-919
発行日 1955年11月20日
Published Date 1955/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201719
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緒言
腹部内臓皮下損傷の臨床は実地医家にとつて身近かな問題であり,その上実際診療を行うに当つて関心を払わなければならないことは,診断殊にどの臓器がどの程度に損傷されているかを受傷早期に知ることの困難さにある.この困難な理由に受傷機転の不明と高度の腹筋緊張とが挙げられる.外力による腹部各臓器皮下損傷の受傷機転の模型は,第1図の様でかなり診断の参考にはなるが,実際我々の経験する症例は殆んど全てが次の様に診断に悩まされる現状である.(1)我々の知りたい受傷当時の墜落,転倒,衝突等の瞬間の詳しい過程を説明出来る患者は殆どなく,(2)出血,穿孔,裂創等による腹腔内変化のための疼痛で腹筋緊張は高度となり,触診は殆んど不可能に近い.さらに(3)熱型,血圧,血液,尿等の一般検査で臨床的に推定するには,かなりの時間的経過が必要となり早期診断の時期を逸することになる.
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