連載 くすりのくすり[最終回]
明日への処方
鈴木 純一
1
1川越同仁会病院
pp.64-65
発行日 1998年11月15日
Published Date 1998/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900135
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入院間もない患者は目立たない
つい先日,私の薬の処方量は同僚の若い医師たちよりもずっと少ないが,どうしてなのか,という議論になった。私たちの世代は,一般に薬は少なく使用するよう指導された。八口ペリドールを0.75mgから慎重に使いはじめた初心の頃が,懐かしく思い出される。薬を増量する際は,血圧の変動や肝機能などに神経をピリピリさせていた。当時,すでに米国ではクロルプロマジンを800mgとか1,200mgを普通に使っているという噂を聞いて,アメリ力人は体が大きいからと勝手に納得していたものである。
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