Japanese
English
症例
腎移植後肺感染症をおこした2症例について—肺クリプトコッカス症と粟粒結核症
Pulmonary infections disease acompanied with renal homotransplantation:Miliary tubereulosis and of cryptococcosis of the lung.
岡村 隆夫
1
,
横山 健郎
1
,
花岡 建夫
1
,
小越 章平
1
,
岩崎 洋治
1
,
佐藤 博
1
Takao OKAMURA
1
1千葉大学医学部第二外科
pp.1133-1141
発行日 1971年7月20日
Published Date 1971/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205403
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はじめに
移植後に伴う感染症は拒否反応とともに術後合併症としてもつとも面倒な問題であるが,拒否反応が移植に伴う必然的な反応に比較して感染症は拒否反応を抑える薬剤の使用による2次的な生体の抵抗力の低下が誘因となることが多い.したがつて前者が主で後者が従の関係と見なされがちであるが,実際術後管理上死因につながるものとして,感染症の問題は拒否反応以上に重要な問題を提起しているものと思われる.事実教室において現在までに行なつた,生体腎移植術5例,死体腎移植術11例のうち7例を失つており,その死因を検討してみても大部分が感染症によるものである(第1表).
今回治療上反省すべき点の多い感染症,とくに肺合併例の2例を経験したので,その詳細を記し,諸家の参考に供したい.
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