Japanese
English
症例
腎移植患者に発症した腹膜炎—3症例
Panperitonitis in 3 patients with renal homografts
木内 政寛
1
,
岩崎 洋治
1
,
雨宮 浩
1
,
岡村 隆夫
1
,
横山 健郎
1
,
小越 章平
1
,
佐藤 博
1
Masahiro KIUCHI
1
1千葉大学医学部第2外科
pp.1811-1817
発行日 1971年11月20日
Published Date 1971/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205488
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はじめに
臓器移植後は免疫抑制剤の使用によつて,多少にかかわらず各種の臓器が障害をうけるが,そのひとつのあらわれが感染症に対する抵抗力の減弱である.
さきに,クリプトコッカス髄膜炎10),クリプトコッカスによる肺膿瘍,肺結核など腎移植後に併発した症例について報告したが,今回は腹膜炎を併発して死亡した3例について述べる.これら3例の死亡例はそれぞれ異つた原因で腹膜炎が発症し,それぞれ一般外科の常識からは想像しがたい経過をたどつた.現在われわれの腎移植例は生体腎移植5例,死体腎移植11例であるが,そのうち死亡した7例中拒絶反応で失つた症例は1例にすぎない.これに反し,感染症では本稿での対象例である3例とすでに報告した移植後3年4カ月目にクリプトコッカスの肺膿瘍,脳膜炎,敗血症で死亡した計4例である.
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