学会印象記 第12回国際輸血学会—国立モスクワ大学
冷凍血液
三浦 健
1
1東京大学医学部第二外科
pp.80-83
発行日 1970年1月20日
Published Date 1970/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205017
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会場にあてられた国立モスクワ大学はモスクワの町並みを見下ろす広大なレーニン丘の上にそそり立つて偉容を誇つていた.モスクワ大学には13の学部があり,学生18,000名のほかに夜間部と通信教育の学生15,000名と大学院生4,000名が在籍し,教育と研究にたづさわるスタッフは4,600名以上にのぼる.
そして330の実験室,163の研究室,550万部以上の蔵書をもつ学術図書館などが附属している.授業料はすべて無料,学生の大多数は国家奨学金(14,000〜16,000円)を受けており,延べ65万平方メートルにのぼる尨大な大学の建物や施設の総面積のうち,かなりの部分が教室や研究室のほかに学生寮や教職員の住宅にあてられている.しかもこれだけの施設を未だ物資欠乏の甚だしい第2次大戦終了直後の昭和24年間から4年間で造りあげて,先づ第一に大学を復興させたとのことであつて,教育と研究に対するこの国の熱意がありありとうかがわれるのであつた.
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