Japanese
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講座・1
臓器冷凍の理論と応用—Ⅰ.組織冷凍と凍害保護物質
Current problems of tissue banking
隅田 幸男
1
Sajio SUMIDA
1
1国立福岡中央病院心臓血管外科・冷凍血液センター
pp.991-1000
発行日 1971年6月20日
Published Date 1971/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205386
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はじめに
移植を目的とした臓器と組織の冷凍保存に関する現況を展望してみた.内容は主として1964年から1970年の7カ年間に低温生物学会(Society for Cryobiology)で報告されたものが中心となつている.ただし,この領域で今日活躍している臨床家の大半は冷凍のみではなく灌流保存についても興味を抱いており,しかもclinical needの点では灌流保存の価値は無視できないので本稿でもかなりのページを割かざるを得なかつた.
低温生物学(Cryobiology)の使命は,言うまでもなく低温生物学の分野における研究の促進と普及である.接頭語のCryoはギリシヤ語のKruos(frost)から来ている.American Medical Dic-tionaryを開くとcryogen(冷媒),cryometer(低温温度計),cryophilic(低温好性),cryostat(低温サーモスタット)といつた言葉が見出される.最近ではcryonicsという新語も生れてきた.
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