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講座・3
臓器冷凍の理論と応用—Ⅲ.臓器の冷凍保存
Current problems of tissue and organ banking in frozen state
隅田 幸男
1,2
Sajio SUMIDA
1,2
1国立福岡中央病院心臓血管外科
2国立福岡中央病院冷凍血液センター
pp.1499-1505
発行日 1971年9月20日
Published Date 1971/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205447
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はじめに
単細胞の冷凍保存で幕開けした低温生物学は,まず冷凍血液輸血によつて医学に大なる貢献をした.そして,この細胞を冷凍保存する技術は,組織へそして単一臓器へと応用が期待されはじめた.治療法としての臓器移植が増加するにつれて,当然臓器保存法の適切な方法が要求されはじめたのである.凍害保護物質(cryoprotective agents)の発見によつて臓器凍結は長期保存の有望な手段となつてきたからである.
本稿では,生命の冷凍保存でもつとも古い歴史を有する精子から生体内の単一臓器の冷凍保存までの研究の現況を概観した.
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