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特集 緊急手術後の合併症・Ⅰ
重度外傷の緊急手術後におこつた呼吸障害
Respiratory insuffciency following emergency surgery on severely injured patient
杉本 侃
1
Tsuyoshi SUGIMOTO
1
1大阪大学医学部特殊救急部
pp.281-289
発行日 1971年2月20日
Published Date 1971/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205307
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はじめに
大阪大学特殊救急部は昭和42年8月に設立され大阪市ならびにその近辺の重度外傷患者を選択的に収容しそのintensive careを行なつてきた.その治療にあたつてわれわれはできるだけ検査をくり返し行なつてその結果にもとづき方針を決定することを主眼としてきた.われわれの行なつた重度外傷者に対する呼吸管理もその一つで,やみくもに気管切開を行なつたり酸素投与を行なうことは避け,主として血液ガス分析の結果を中心にそのデーターにもとづいて治療をすすめることにした.幸いなことに酸素電極やCO2電極の進歩により血液ガスやpHの測定が簡単に行ないうるようになつたため動脈血の採血から数分以内にその結果を得ることが可能になつた.われわれの特殊救急部もその中にベッドサイドラボラトリウムともいうべき検査室をそなえ重症患者の管理に必要なさしあたつての検査が常に迅速に行ない得るようになつている.われわれは,この検査態勢を完成するとともに,その機能をできるだけ利用して外傷患者の病態を把握するように努めてきた.
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