Japanese
English
外科の焦点
Polysurgeryの臨床的問題
Clincal problem of polysurgery
渡辺 晃
1
Akira WATANABE
1
1国立水戸病院外科
pp.49-66
発行日 1971年1月20日
Published Date 1971/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205286
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戦後25年間の外科の進歩はめざましく,臓器移植も可能になり腎移植はもちろんのこと,心臓移植も成功するようになつた.このような進歩の陰には,全身麻酔の研究,水分電解質代謝の究明,各種抗生物質の開発,免疫学の進歩等におうところが大である.外科は内科とは異なり診断的なものより,むしろ治療が主である関係上,とにかく医学の各分野において究明されたことを実践にうつしてこのようにめざましい進歩をとげ得たものと思う.
しかしながら最近はその質的発展はあまり見られなくなり,反面その反省期にきているのであろう.最近の文明開化と共にすさまじい勢いで発展した工業生産の陰に公害の問題が論じられるようになつたごとく,医学の分野においても,どうやら手術によつてもたらされたいろいろな愁訴を振り返つてみる時代にきたのではないかと思う.十数年も前から手術に伴う各種の愁訴は取り上げられてはきたものの本当には問題にはされなかつたのである.
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