Japanese
English
特集 Silent Disease
胃のSilent Disease
Silent diseases of stomach
島田 信勝
1
Nobukatsu SHIMADA
1
1慶応義塾大学医学部外科
pp.1837-1842
発行日 1970年12月20日
Published Date 1970/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205268
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
胃のSilent Diseaseについての執筆依頼があつたが,実は昨年第96回国際治療談話会で潜在性疾患とその治療というテーマで講演をしたことがある(日本医師会雑誌,56巻,11号,1279頁,昭44).その際の解釈は特に苦痛を訴えずに集団検診やドック,あるいは他の疾患で来院中希望により検査をして偶然発見されたような疾患,または特別な苦痛かなく経過中突然出血などを来たして発見されたような疾患を胃について考え,話をした.実際Silent Diseaseという病名を厳重に分析すると,Diseaseとは何か,Silentとはま何かというむずかい儀論も出ると思うが,上述したように身体のどこかに正常にはみられない異常所見があるに拘らず,生体そのものにはその存在を思わせるような苦痛とか自覚症状,その他特別な訴えがなく,しかも何らか偶然の機会に胃の疾患として指摘されたものをとりあげて述べることにした.したがつてなかには疾患の初期と思われるものから,かなり進行したものまで含まれることになるが,自覚症状はいうまでもなく各個人によつて相異かあるばかりでなく,殊に日常酷使されている胃においては正常であつても多少お互いに何らかの症状を訴えることがあり,果して無自覚な胃疾患かどの位存在するかは従来の集団検診でもしばしばとりあげられているが検診の種類,年齢,地域などによつてかなりの違いのあることも報告されている.
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.