Japanese
English
特集 Silent Disease
脳のSilent Disease
Silent disease of brain
鈴木 二郎
1
,
金山 重明
1
Jiro SUZUKI
1
1東北大脳研脳神経外科
pp.1797-1804
発行日 1970年12月20日
Published Date 1970/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205263
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脳のSilent Diseaseについてということではあるが,著者は頭蓋内疾患,その中でも脳神経外科的疾患のSilent Diseaseについてと解して,筆をとることにする.さて,この問題を論ずるに当つては,頭蓋内には脳,脳膜,血管,脳神経,血管の中の血液および髄液が入っていること,また頭蓋それ自身は幼児を除いてはきわめて硬い箱で一定の容積しかないものであることを,まず念頭におかなければならない.また性質上脳膜,髄液は全くのsilentであり,血管も閉塞,破裂がこない限りsilentで,脳それ自身もかなりの部分が一応silentといわれている.故にそれらの部分のmasslesionを考えるとき,頭蓋内圧が高まつて来るまでは全くのsilentで症状は現われてこないのである.これが頭蓋内疾患の特徴であり,したがつてSilent Diseaseは頭蓋内疾患には,きわめて多いことにもなる.以下,腫瘍,血管性障害および頭部外傷についてのSilent Diseaseに関して述べてゆくことにする.
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