Japanese
English
症例
胃サルコイドージスと思われる1例
A case of gastric sarceidosis
岩本 淳子
1
,
木村 正
1
,
高木 正雄
2
,
武正 勇造
2
,
河野 実
2
Atsuko IWAMOTO
1
,
Masao TAKAGI
2
1国立東京第一病院外科
2国立東京第一病院消化器科
pp.1757-1762
発行日 1970年11月20日
Published Date 1970/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205258
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はじめに
近年全身疾患としてのSarcoidosis(邦名,「類肉腫症」)は,にわかに注目されておりその臨床症状は,多彩で本症の発生原因はまだ不明である.文献によれば,1869年英国のJ.Hutchinsonがこの皮膚病変について記載したのが最初であり,その後1889年フランスのE.Bésnier,1889年ノルウェーのC.Boeckらによつても記載され,今世紀の初め1914年スウェーデンのSchaumannを初めとする多くの研究者が全身系統疾患としての本症の病像完成に貢献し,今日,一名Bésnier-Boeck-Schaumann's diseaseとも呼ばれている1).サルコイドージス(以下「サ」と略す).は全身疾患として肺,皮膚,眼,リンパ節,骨,肝,脾,耳下腺,鼻腔,副鼻腔,骨格筋,中枢神経等の侵された症例についての報告は多いが,消化管の「サ」は非常に稀であり胃「サ」については1936年Schaumannによるものが第1例で2),外国文献上は26例の報告があるが(Sirak3),Pearce andEhrlich4),Scott and Palmer5)らによる),本邦では1959年の長村6)らの報告を初めとして,矢部7)(1961年),本田2)(1966年),広畑8)(1965年)の報告による計4例をみるに過ぎない.
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