Japanese
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講座 連載・1
消化器疾患の手術—A.術前の管理
Surgical treatment for gastroenteric diseases A. Preoperative care
川俣 建二
1
Kenji KAWAMATA
1
1元順天堂大学外科
pp.727-733
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205114
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手術の成績を向上させるためには,まず完全な手術をすることである.今日のように手術の適応が拡大してきて,胃癌の拡大根治手術や,膵頭切除術などの大きな手術が行なわれるようになると,手術時間とか,出血量とかの点でも手術侵襲も大であるし,また時にはpoor riskのものや,老人の手術をする機会が増えて来たことなどあり,手術はうまくいつたが,あとが思わしくないというのでは感心しないのである.これは全て合併症の発生によるものであるから,合併症のおこらないような対策をたてることが大切であることになる.
消化器疾患では,幽門狭窄などで,食餌の摂取ができなかつたりして,低蛋白血症とか,貧血とか,あるいは脱水とかの状態に陥つているものが少なくないのである.このような悪い状態をできるだけ早く改善して,最良の条件のもとに手術をすることが望ましいわけである.
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