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講座
消化器疾患の手術—B.術後管理ならびに合併症
Surgical treatment for gartroenteric diseases B. Postoperative care and omplication
川俣 建二
1
Kenji KAWAMATA
1
1元:順天堂大学医学部外科学教室
pp.865-871
発行日 1970年6月20日
Published Date 1970/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205133
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Ⅰ.術後の管理
手術が終了してから麻酔の覚醒までの数時間は麻酔医の管理のもとにある.術後の数時間はまず,ショックの予防と,呼吸系の管理が重点で,術中の輸血は出血量の1.5倍をすることで一応十分である.循環血量が減少すると体内組織の酸素欠乏がくる.それがショックの基礎となるもので,Davisは傷害に対する生体反応としての体内酸素欠乏の時期が最初に現われ,これが12〜72時間もつづくという.それにつづいて組織の崩壊が起こり,窒素平衡も負となるのである.
a)呼吸系:呼吸系に関しては気道の確保が第一で,気道内分泌物をよく吸引して酸素を十分補給することである.必要に応じICU(Intensive Care Unit)に入れて管理する.時には酸素テントを用いる.特に老人では肺合併症がもつとも早く現われる合併症として注意を要するもので,老人では許すかぎり,ICUにおいて管理するようにした方が安全である.PCO2,PO2の測定は呼吸性アシドージスの判定に必要な検査である.
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