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成人haemolytic-uraemic syndrome,他
pp.413-416
発行日 1970年3月20日
Published Date 1970/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205069
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小児には本症のあることをすでに本欄でも何回か紹介したが,成人ではMery(Path. Biol. Paris 15:1079,1967)の例ぐらいで,きわめてまれ.症状が出ると高血圧,神経症状で2〜4カ月で死亡する,急性腎不全という形で突発し不可逆である.同時に溶血がおこり,小児ではthrombotic thrombocytopenic purpuraを合併し,thrombotic microangiopathyと考えられる.小児ではヘパリン,コーチコイド,透析で救われることがある.しかし成人例で救われた報告がない.Giromini(Lancet 2:169,1969)は23♀,1968春まで健,そのころから蛋白尿(0.2〜1.0g/l),月経不順あり,腎不全の徴なし.10月5日突然発熱,筋痛,嘔吐,下痢,頭痛おこり,2〜3日後黄疽,入院.BP 190/110,眼底動脈正常,BUN 124 mg,Cr 16.8mg/24h.尿量100〜800ml,蛋白3.2g/24h,3日後無尿.そこで透析,貧血(Ht 13.5)は溶血のためとわかり,成人本症と決定,網赤球9%,骨髄の造血像活発.ヘパリン3万単位,プレドニン100mg/24h投与,無尿つづき,透析つづけるも悪化するのみ,そこで両腎摘,脾摘,急に改善,透析で職に復帰した.
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