Japanese
English
特集 緊急手術の手技・Ⅱ
膀胱損傷
Injury of urinary bladder
辻 一郎
1
Ichiro TSUJI
1
1北海道大学医学部泌尿器科
pp.1375-1378
発行日 1969年10月20日
Published Date 1969/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204959
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
膀胱損傷の大部分は災害・事故による非開放性皮下損傷である.稀には鉄棒や杭等による膀胱刺杭創や銃創・刺創等による開放性損傷もあり,また骨盤内(特に子宮および直腸)手術あるいは難産に関連して起る膀胱損傷,さらに経尿道的泌尿器科操作(特に経尿道的前立腺あるいは膀胱腫瘍切除術)の際,誤つて膀胱を穿孔することもある.金沢等の全国的調査によると,昭和39〜41年の3年間の尿路外傷総計675例のうち膀胱外傷は7.9%,53例(膀胱外傷35,膀胱および尿道外傷18)で,男44,女9,外傷機転は交通事故24,職業性外傷15,その他13,不詳1で,骨盤骨折に伴うものが24例であつた.膀胱のみの外傷35例の内訳は,皮下損傷26(腹膜内破裂10,腹膜外破裂12,不明4),刺杭傷4(腹膜内1,腹膜外2,不明1),開放性損傷2(腹膜内),不詳3で,骨盤骨折合併は10例である.
以下,救急処置として鈍的外力による膀胱皮下破裂についてのみ記す.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.